過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
1- 20
8:名無しNIPPER[saga]
2015/08/30(日) 00:23:45.96 ID:Y2NxSdH4O


「分かりましたよ! で? どうやって殺されるんです私は!?」

「あの、王のご決裁ですので、言葉をお選びになった方が」

「は?」

「『殺される』はいかにも、不穏当ではないかと」

「別に間違ってないでしょ。まずいの?」

「私は聞かなかったことにいたしますが、それだけで不敬罪が成立します」

「ああそうですか。で? これから警察にでも取り押さえられてどこかで刑を執行されんの?」

「いえ、そんな形にはなりません」


証券マンは少し考え込む様子で目を下に落とし、俺の前に差し出したA4判資料の一カ所を指で示した。


「先般の法改正で、私どもの業態でも遺言信託を扱えるようになったのです」

「あのさ、質問に答えてよ」

「その前にですね、まずこちらを。……弊社の遺言実行サービスは迅速を主眼としておりまして。相続がどの時点で発生いたしましても直ちに対応できる態勢を万端整えておくという点では、他社の追随を許さないと自負いたしております。手数料の方も、現在キャンペーン期間中で……」


俺は備え付けの電話を力任せに引っぱり寄せ、人事部につないだ。


「あの。『俺』ですけど部長をお願い」


少々お待ちを、と事務の女性が答えて部長に取り次ぐ。目の前では証券会社が視線を手元に落としたまま、無表情に待っている。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
178Res/165.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice