過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
1- 20
97:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/13(火) 00:32:29.41 ID:fDjbuMnwO

動物マスクの男たちは身じろぎもしない。

通路の先には東アジア風の楼門があった。瓦屋根の廂の下、漆塗りの一枚板に文字を彫り込んだ扁額が見える。俺は目を凝らしてそれを読んだ。

筆記体のアルファベットを2列彫り付け、さらに念入りに黒い塗料でなぞってあった。


     SO─RYOJI
      KWAAAN


これを「総領事館」と読めということなのか。ホテルを出た時から始まった悪ふざけが、ここへ来て極まった感じがする。

その時、マスクの男たちが動いた。一糸乱れぬ動きで獣人の顔を俺に向け、白い手袋をはめた片手を楼門の方へ差し出す。
その姿勢が見事な左右対称を形成して、門の奥へと進むよう俺に催促している。


もちろん、躊躇しないわけはなかった。しかし背後を振り返ると、菅笠と蓑をまとった怪物が2体、俺の退路を塞ぐように闇の中から歩み出てきた。


河童だ。

カエルのような顔、背中に亀の甲羅。それぞれ、身の丈を超える長さの金属の錫杖を手にしている。

2体の河童はそれぞれの錫杖を俺の正面で交差させ、×印をつくった。

後戻りはまかりならぬ、ということらしい。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
178Res/165.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice