過去ログ - 新選組〜あるいは沖田総司の愛と冒険〜
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98:名無しNIPPER[sage saga]
2015/10/13(火) 00:46:45.14 ID:fDjbuMnwO


無理にでも戻ろうとすれば危害を加えられそうな気がして、やむなく俺はタキシードの獣人たちが進入を急かしている楼門の方へ足を進めた。

獣人たちが、前を通り過ぎる俺の進行方向へゆっくりと首を回す。通路に沿って左右対称に並べられた4対の手は微動だにしない。
みぞおちのあたりに何とも言えぬ違和感を覚えながら、俺は楼門をくぐった。


俺が三度目に振り返った時にも、照明の影になった獣人たちは見送りの姿勢を崩さなかった。河童も錫杖を交差したままじっとしている。


来訪者を混乱させるだけの仕掛けにしては、ずいぶんと手が込んでいる。

俺は、この町に世界で誰知らぬ者のない映画産業の聖地があることに思い当った。
この奇怪な演出も、ことさら俺を惑わす意図で行っているのではなく、演出自体が目的なのかもしれない。


つまり俺の行動自体が、どこかで誰かがフィルムを回している映像の一部になっている可能性。

では、どこからフィルムは回り始めたのか。

俺がホテルを出た時から?
レストランで「美しい愛」女史と語らいを始めた時から?

それとも、……あの証券野郎がオフィスに現れた時から?




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