過去ログ - 白菊ほたる「最後のシアワセ」
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13:名無しNIPPER
2015/08/30(日) 21:10:38.79 ID:UTcBQg6u0

結果から言えば、俺たちは[ピーーー]なかった。
俺たちが車を停めていた海岸は、地元では有名「スポット」らしい。
そんなところで目張りした車なんて見かけたら誰だって通報するだろう。
俺だってそうする。

幸い、と言っていいのかどうかはわからないが、発見は早かったらしい。
俺もほたるも、特に後遺症らしいものは残らなかったようだ。
警察でも病院でも「もうこんなバカなことしちゃダメだよ」と優しく諭された。
意外と優しくてびっくりした。

今回のことは、ニュースにもならなかったらしい。
未遂だから当然なのかもしれないが。
どこにでもいる若い男女の、よくある悲劇だ。
同情こそすれ、騒ぎ立てるほどのことでもない。
「こんなものか」となんとなく腑に落ちた。

形式的には心中と呼ばれる類のものだったので、しばらくほたるとは会えないのではと思っていたのだが、
案外そうでもなかった。
まあ止める人もいないしな。
ほたるもその後は落ち着いていたらしい。
さすが俺の見初めた女だ…と思ったが俺に見初められたからなんだと言うのだ。
とにかくほたるは割かし元気?らしい。

そして、今日は一ヶ月ぶりにほたるに会う。
とても緊張する。




ほたる「Pさん、お身体はもう大丈夫なんですか?」

P「ん、まあまあだ。お前こそどうなんだ」

ほたる「私もまあまあですよ」

P「本当は?」

ほたる「無理言って出てきました」

P「だろうな」

ほたる「ふふ…」

P「で、どうする?やり直すのもアリだけど」

ほたる「うーん…そういう気分でもないんですよね」

P「奇遇だな、俺もだ」

ほたる「今回のことは運が良かったんでしょうか、悪かったんでしょうか…」

P「悪かったんだろ。どうやら俺らは死神にすら見放されたらしい」

ほたる「そうですね、その方が私たちらしいですね」

P「うまくいかねえもんだな」

ほたる「まったくです…ところでPさん、あの日に言ってくれたこと覚えてますか?」

P「ん…色々話しすぎてどれかわからん」

ほたる「私と一緒なら何でもできそうだ、って…」

P「ああそれなら…覚えてるよ。むしろ今だってそう思う」

ほたる「そうですか…それならこういうのもできませんか?」

P「?」

ほたる「私と一緒に幸せになる…とかそういうの、です」


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