過去ログ - モバＰ「街路樹に銀杏色が視える頃」 -SS速報VIP

過去ログ - モバＰ「街路樹に銀杏色が視える頃」

↓ 1- 覧 板 20

22:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:18:00.18 ID:vWepLyU60
「じゃあ、私がＰさんのはじめてだ」
「はいはい初めて初めて。よかったなー」
「……むぅ」
「オオカミ少年じゃねえが、その手の冗談を何度聞かされたと思ってるんだ。……っと、信号、青だぞ」

以下略

23:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:18:45.49 ID:vWepLyU60
「加蓮さー、誕生日プレゼントには何が欲しい？」
「Ｐさん」
「躊躇いなく言うな。それ以外だ馬鹿」
「そんなこと言って、もう用意してくれてるんでしょ？」
「おっまえホントに性格悪いな。もしかしたら今から買いに行くところかもしれねえだろ？」

以下略

24:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:19:30.47 ID:vWepLyU60
「そうだな。そうしろ」

また信号に引っかかった。飲む？　とさっきのレモンジュースを手渡されたので、ありがたく口をつけさせてもらった。

「誕生日にワクワク、かー……十何年ぶりだろ」

以下略

25:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:20:15.44 ID:vWepLyU60
年に５回。俺の時も含めて、バースデーケーキが用意される。甘い物が苦手とか関係なく、みんなで楽しく食べる為に。
ローソクもいつも５本。所属人数の分を拭きかけて消すってちょっと不吉じゃないか？　と言ったら、藍子に怒られた。

「そか。よかった。Ｐさんやみんなに出会えて」
「そういうのも本人にな」

以下略

26:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:21:00.78 ID:vWepLyU60
「……そういえば加蓮。結局さ、どうして藍子の家から、それも窓から飛び降りて逃げ出したんだ？」
「うん。ちょっと外に出たくなった、っていうのはホントだよ。あと、目が覚めた時、藍子を見て、なんだか胸が痛くなっちゃって」
「胸が痛く……？」
「分かんない。寝顔がすっごく綺麗だったからかな？」
「確かに分からん」

以下略

27:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:21:46.20 ID:vWepLyU60
「私、今年はどうしてもＰさんから言われたかったんだよね。最初に」
「それでスマホも置いて放浪かよ」
「Ｐさんなら私のこと見つけてくれるしょ？　見つけてくれたもん」
「ハァ……。相変わらずガキだな、お前」

以下略

28:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:22:31.01 ID:vWepLyU60
角に差し掛かった時、加蓮が１度だけ足を止めた。俺を見上げて、すっと目を細めて、ううん、と首を横に振る。
それから彼女は歩き出した。さっきまでのゆったりしたペースはどこへやら、いつもの早足気味になっていて、追いかけようと慌てたら足がもつれかけた。
あはは、変なの。加蓮が笑う。周囲を憚ることなく笑う。
だから、俺も笑った。

以下略

29:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:23:16.41 ID:vWepLyU60
「…………」
「しょうがないじゃん。どれだけ時が経っても、これだけは仕方ないよ」
「……そうか」
「だからＰさんが――」

以下略

30:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:24:01.40 ID:vWepLyU60
「で、俺が何だよ」
「なんでもなーい。ほら、事務所に到着。ふふっ、朝デートもおしまいだね」
「なーにがデートだ」
「Ｐさん的にはがっかり？　もう１時間くらい歩いてたかった？」
「馬鹿言え俺は仕事人間だ。さ、今日もプロデュースプロデュース」

以下略

31:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:24:47.77 ID:vWepLyU60
「あ、おかえりなさいっ」

ちょっぴり驚いた藍子が出迎えてくれる。加蓮を見て、俺を見て、くすっ、と笑う。さすがＰさんです、と言われてしまった。
出る時はテキトーにかけただけのスーツが、びしっと整っていた。来る時にはつけていなかったネクタイまでセッティングされている。
鞄を放り投げ、ソファに腰掛ける。ふー、と吐いた息が想像以上に大きい。

以下略

32:名無しNIPPER[saga]
2015/09/05(土) 18:25:31.70 ID:vWepLyU60
「ふふっ。あっ、そうでした。私、お菓子を用意して待っているって言ったのに……でも、朝ごはんを食べて、そんなに経っていないから、まだいらないのかな……？」
「悪い。あと、来る時に加蓮からコロッケを押し付けられた」
「じゃあ、この分はおやつの時間に回しちゃいましょうか。その時に、みんなでケーキも食べましょう」
「そうだな」

以下略

41Res/29.00 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ