過去ログ - 魔王子「僕が美しすぎて世界征服とかどうでもいい」
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83: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/12(土) 17:57:23.85 ID:sLQ73HxL0
>城門前


姫「…」ドキドキ

魔王子を待つ間、姫の気持ちは高ぶっていた。
別れてから1ヶ月――そのたった1ヶ月が、姫には1年も前のことのように感じられて。

と、足音が聞こえた。この軽い足音は――

魔王子「お待たせ」

姫「魔王子様!!」

姫の表情はぱっと明るくなる。
素直に嬉しく思える。また、魔王子に会うことができた。

魔王子「駄目じゃないかお姫様、こんな所まで来たら」

だが一方の魔王子は表情が固く、どこかよそよそしい。

姫(あ…そっか。今はもう……)

片や、世界を掌握した魔物の王。片や、亡国の姫。
2人の身分差は明らかなもので、下の立場の自分が、気軽に会いに来て良い相手ではないのかもしれない。

それでも言わねば。姫は意を決して口を開いた。

姫「魔王子様、私は――貴方に救われました」

魔王子「…僕は何もしていないよ。人間達を脅迫しただけだ」

姫「いいえ。確かにやり方は脅迫に近いものだったかもしれません。ですが――」

姫は知っている。
争いを嫌う魔王子の本心、魔王子の思惑を。

姫「魔王子様、私も貴方の心を覗きました」

魔王子「…えっ?」

それは、あの日、夢幻の森を訪れた時のこと――

姫「私、森で魔神さんに出会いました。彼は貴方の心を映し出した姿となって現れたのでしょう」

魔王子は一瞬、驚いた顔をしてから気まずそうに視線をそらした。

魔王子「参ったなぁ…。幻影を見たのは知っていたけれど。まさか、魔神の方と会っていたとはね」


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