過去ログ - 魔王子「僕が美しすぎて世界征服とかどうでもいい」
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87: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/12(土) 17:59:15.24 ID:sLQ73HxL0
魔王子「…でもなぁ」

魔王子は少しだけ不満そうな顔をする。

姫「どうされたんです?」

これだけでは魔王子の心は晴れなかったか…姫は魔王子の顔を覗いて、そんな心配を抱く。
だが、そうではなかった。

魔王子「芸術品は魔神化した僕の姿ばかりだね! 今の僕も最高に美しいのに!!」

魔王子は髪をかきあげて不満を口にした。
これだけ多くの人がいるというのに、誰も自分に目を奪われていない。こんなにも自分は美しいというのに。

魔王子「やはり僕のパーフェクトビューティ魔王子フラッシュで…」ブツブツ

姫「魔王子様」

姫はクスクスおかしそうに笑いながら、魔王子に1枚の紙を手渡した。

魔王子「ん。これは――」

鉛筆で簡単に描かれたスケッチだったが――描かれていたのが魔王子だとわかる程度には、よく描かれている。

魔王子(僕の特徴を的確に捉えているんだから、美しくないわけがない。だけど、何か、こう…)

彼が自分に抱いているイメージほど、キラキラしていない。
描かれていた魔王子の表情は温和で、安心感を覚えさせる――そんな絵だ。

姫「私が描いたものなのですが…」

魔王子「へぇ、君は絵が得意なのか」

姫「えぇ、芸術の国の出身ですから」

芸術の国…その名の通り芸術に秀でた国だというのは聞いたことがある。ただ、軍事に関してはめっぽう弱いという話だったが。

魔王子(そう言えば…)

魔王子は、姫に宝剣を渡した時の反応を思い出した。あの宝剣に、姫はボーッと見惚れていた。

魔王子(あぁ、そうか。あの宝剣の宝石は偽物だったけど、お姫様はデザイン性に惹かれたわけか。なるほど、芸術品を見る目は肥えているんだなぁ)

そう思いながら、魔王子はもう1度スケッチを見た。


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