13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/07(月) 00:21:22.09 ID:rVNZ4GiQo
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お菓子作りの材料などを買う行きつけのお店。
久しぶりに来てみるとそこは陳列の配置を変えたのか、私の馴染みのある頃と雰囲気が少し変わっていて驚いた。
目当てのものはどこだろう……カップケーキの材料となるものを探しに来た私の目に入ったのは、店頭の正面で目立つように展示されているある物……
「あっ……!」
それは、チョコレートだった。
赤を基調としてしとやかなシルバーで装飾された一帯のコーナーの至る所に「St. Valentine's Day」と書かれている。今が二月上旬であることをようやく思い出した。バレンタインデーが近づいているのだ。
去年は受験期間真っ最中ではあったが、簡単なチョコレートを作ってプレゼントしたのを思い出した。しかしそこで作ってきたのは普段からお菓子作りをしている私くらいのもので、櫻子を含めて作ってきていない子の方が多かった。あの時の忙しさはまさに頂点を極めていた。
目がけて来たものより先に、置いてあったチョコレートを手に取る。
今年も櫻子にバレンタインチョコを作ろう。去年のような慌ただしい中で作るものではない、しっかりと心を込めた一品を。
ひとたび思いつくとぽんぽんアイデアが出てくるもので、それから良さそうな材料の揃うお店をはしごしてバレンタインの準備を始めた。お小遣いからも予算を出して、今までで一番気合いの入ったものを作ろうと思った。
櫻子と私の距離を戻してくれる、甘い甘い魔法のチョコレート。
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