14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/07(月) 00:21:50.37 ID:rVNZ4GiQo
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「2月14日……あっ」
カップケーキをオーブンで焼いている間、ふとカレンダーを確認するとあることに気がついてしまった。
(この日……日曜日なんですのね)
てっきり平日だと思い込んでいた私は、シチュエーションを先日のクッキーや今のカップケーキと同じように、学校が終わって櫻子が帰ってきた頃に大室家に行って渡すものだと思い込んでいた。
日曜日となると話は変わる。もしかしたら櫻子は一日中家にいるかもしれない。
(櫻子の予定も確かめておかないと……)
櫻子は部活もバイトもしていないようだし、その日学校に行く可能性は低いと見た。
もし学校のある平日だったら櫻子は学校のクラスメイト等からチョコを貰うのだろうか……あれ、櫻子って向こうの学校ではモテるのかしら? そんな想像をしていると、オーブンが焼き上がりの音を鳴らした。
どうせ渡せばすぐに食べてしまうものだろうが、ラッピングはちゃんとしておく。櫻子の分と花子ちゃんの分……後で楓にあげる分も一緒に包んだ。
温かいうちにこれを届けなければ。隣の家に行くだけのことだが、急いでコートを羽織って準備をした。今シーズンに入る前に買った真新しいお気に入りのコート……普段からそこまで出掛ける用事もない自分には意外と着る機会がないものだと、そう気づいたのは最近だった。
昔の自分だったら、櫻子に会うくらいのことなら普段の家の格好と簡単なつっかけだけで行っていたかもしれない。しかし今は少しでもいい自分を櫻子に見せたかった。
この気持ちの名前は、私は知らない。
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