30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/07(月) 00:34:26.44 ID:rVNZ4GiQo
ばか櫻子、あなたは人を泣き止ませるのが下手ですわね。
でも私も少し……泣くのが下手になったみたい。昔はよく泣いていたのに……
今すぐに泣き止みますから、もう少しだけ――
櫻子の首元に顔をうずめ、きゅっと腕に力をいれようとした時だった。
どん! と、
「あっ……!」
「っ……」
私は、いきなり突き飛ばされた。
暖かく抱きしめていたはずの、その人に。
「さ、櫻子……??」
「………め…」
「え?」
「……め………だめ……」
まったく予想していなかったその行動で、私は当然しりもちをついてしまう。
下から櫻子を見上げているのに、深くうつむきすぎているその顔がどんな表情をしているのかは髪に隠れて見えなかった。
何が起こったのか、まったくわからない。
まったくわからないまま、言われてしまった。
「ごめんね、向日葵……」
「え……」
「私……このまま向日葵と一緒にいちゃだめなんだよ……!」
「っ……!?」
「だから……もう会うのはやめよう……」
「な、なんで……!?」
「ごめん……ごめん……っ!!」
櫻子は声の小ささに合わない切迫感をもって謝ると、そのまま全速力で走って私の横を抜け、近くの校門から外に出ていった。
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