40:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/07(月) 00:43:47.37 ID:rVNZ4GiQo
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せっかく撫子さんと話す機会があって、アドバイスも貰えたのに……櫻子に会う勇気が出せない私はまた無気力に、櫻子のいない普段通りの生活を送るしかなかった。
隣の家にいるはずの櫻子のことを考えて、毎晩泣きながら眠っている私なのに……櫻子に会うのが怖いという思いは一向に消えてくれなかった。
むしろ自分の中で櫻子のことがどんどん膨らんでいくたびに、恐怖も同じようにして増していく……
二月末の土曜日。学年末テストを控えた私たちの学校では、この週末に集まってみんなで勉強をしようという計画を立てるものが多く、そんな集まりのひとつに私も参加することとなった。
友達三人とカフェに集合して、協力しながらテスト範囲をさらう……テストのための勉強というよりは、テストのための勉強の勉強をするといった感じである。
しかし私はそこで、今の今まで忘れてしまっていた“あること”を思い出した。
みんなで集まったカフェは、私もよく馴染みのあるカフェ。
中学時代に、櫻子とよく来たことのあるカフェ。
バレンタインデーの前日……櫻子と私の知らない女の子が抱き合って泣いていた、あの駅前にあるカフェだった。
友人たちがせっせとテスト範囲に打ち込む中、申し訳ないが私は勉強どころではなかった。
あのとき私が思い浮かべていたこと……つつしみないとは思いながらも、デート前日である自分の身の上に浮かれて思ってしまっていたこと。
(櫻子には私がいたから……あの子を振ったんだと思ってた……)
そう、あの時の考えは完全に間違っていたのだ。当の私もその翌日櫻子に突き放されているではないか。
「ごめん」「ごめんね」……その言葉は、あのときあの子に何度もかけられていたものと同じだったではないか。
だとしたらあの子が振られた理由はなんだったのだろう。もしかしたらその理由は、私が振られた……いや、私が距離を置かれた理由と同じなのかもしれない……!
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