過去ログ - 鳥海「秋は好きですか?」【艦これ】
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10: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/09/11(金) 10:22:49.20 ID:glDuTgvI0



◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



最後の準備を済ませて待っていると、予定より少し早い時間に司令官さんは食堂に現れた。

厨房の一角を借りていた私は、島風と巻雲さんに案内された司令官さんが席に着くのを陰から見届ける。

そのまま三人が話し始めるので、そのままにしておく。

厨房に戻って深呼吸する。

……喜んでくれるのでしょうか。そうだと信じたい。

……余計なことじゃないでしょうか。きっと大丈夫。

ちょっと怖いみたい。

怖いと言ってもル級の集団に突撃するような足に来る怖さとはまた違う種類の怖さだった。

それでも行かないと。もっと怖くなってしまったら動けなくなってしまう。

私が動かなかったら……あなたはきっと今日という日を気にし続けてしまうのでしょうから。

それに私が怖がってどうするの?

司令官さんが私に誕生日を言わなかったのは、きっと『鳥海』の戦没日と重なっていたから。

それなら私はそんなあの人の前でこそ胸を張らなくちゃ。

秋に胸を締め付けられるという感覚が少し分かったような気がした。

……うん、もう大丈夫。行きましょう。

小さく意を決すると私は三人の所に向かった。ホールのチョコケーキを携えて。伝えたい言葉をこの胸に。

「おめでとうございます、司令官さん」

不思議だけど、いざ司令官さんの前に来ると怖いという感覚が消えていた。伝えたかった一言がすんなりと出てきた。





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