過去ログ - 櫻子「みんなで作る光のパズル」/向日葵「葉桜の季節」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/13(日) 19:45:07.81 ID:28Y7hCbSo



「撫子おねえちゃん、もう帰っちゃうの?」

「うん。本当は今日も、休みでもなんでもない日だったんだ……だから急いで帰らなきゃなんだよね」

「そう……」


玄関で靴を履いた撫子おねえちゃんは、荷物を持って玄関に手をかけ……また荷物を全部足元に置いて、花子の手を取った。


「花子……私がいない間、櫻子を支えてあげてくれる?」

「えっ……!?」


「ひま子がいなくなって、私もこの家にいない……今櫻子の一番近くにいてあげられるのは、花子しかいないんだよ」

「……!」


「本当に、ここでがんばれなかったら、あの子は……あの子たちは、もう一生元には戻れない……!」


「そんなの私だって見たくないんだよ……お願い……花子」

「おねえちゃん……」


撫子おねえちゃんは涙さえこぼしてなかったけど……その声はもうまさに泣いてしまう寸前だった。


「櫻子がダメになりそうなときは思いっきり怒っていいよ。櫻子がまたバカな間違いをしそうになったときは、遠慮なくひっぱたいてもいい」


「でも櫻子が頑張ってるとき……その頑張りがすぐには報われなくて、心が弱って傷つきそうになってるときは……櫻子のこと、うんと褒めてあげてほしいの!」

「っ!」


「これって……花子にしかできないことでしょ?」

「……うん……」


優しくて綺麗な目に見つめられて……花子の方が目を逸らしちゃった。

櫻子を褒めるなんて、今までぜんぜんやったことなかった。


「もちろん花子がさびしいときも櫻子に頼っていいんだからね。恥ずかしかったら私でも……電話する時間くらいなら、いくらでもつくってあげられるから」

「……わかったし。櫻子のことは、花子に任せて」


花子はまだいまいち何をしてあげればいいかもわからなかったけど……撫子おねえちゃんに安心してほしくて、自信を持って頼まれた。

花子だってもう五年生。花子だってもう10歳になった。撫子おねえちゃんのために、櫻子のために……できることがあるなら、全部してあげたかった。



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