過去ログ - みーくん「ゆき先輩が元気一杯なので全力でカンチョーをしてみる」
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124:名無しNIPPER[saga]
2015/09/27(日) 16:30:34.74 ID:cbPgvNtOo
階下へ降りると案の定でした。バリケードが壊されゾンビがうろちょろしています。

足が激しく痛みます。心の中は絶望だらけです。でも、私がやらねばなりません。神風特攻隊の方は恐らくこんな気持ちだったのでしょう。私の未来には夢がなく、既に片道分の燃料があるかどうかもわからないのですが、それでもやらなければならないのです。

近寄ってくるゾンビをスコップで凪ぎ払います。右に左に。前に後ろに。カンチョーする為に鍛えあげたこの体は、不器用ながらもまだきちんと動いてくれます。そして、動ける内にこいつらを排除しなければなりません。

蹴り飛ばして倒れたゾンビの首にスコップを当て、下に向かって一気に力を込めます。一体。足を払って転ばしてから頭部を潰します。二体。回転をつけてゾンビの頭をぶん殴ります。三体。

延々と延々と、体が動く限り。そこにゾンビがいる限り。

倒していく途中で噛まれた箇所に信じられないぐらいの激痛が走ってもんどりうつ事も数度ありました。しかし、それでも私は戦い続けました。這ってでもゾンビを殺し続けました。自分の未来ではなく、家族の、仲間の未来の為に必要な事なのです。

……あらかたゾンビを倒し終えて正面入り口前に辿り着いた時には、私の体は限界を迎えていました。今や激痛が来るのは足だけではなく全身からです。何もしてなくても体が痛みによって痙攣するのです。私は芋虫の様に地面を転がりうめき続けました。

最早、生き地獄でした。死んだ方がよほどマシだと思いました。脳に直接針を刺しているかのような鋭い痛みが走り続け、口からは蟹の様に泡がぷくぷく出てきて、焼けるように喉が熱いのです。

水が欲しい。水が。水が……。水が……!!

「水……が……」

それが、私が気を失う前に覚えている最後の記憶です。


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