過去ログ - 「Close to …side.N」(オリジナルSS)
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/09/19(土) 22:52:13.93 ID:QCc0mebi0
「綱吉君?約束したわよね?決着するまで何もしないって…」

後ろから声がする…それを聞いたつーちゃんの手が…離れていく…

なんで?…なんでなの?

分からないよ…つーちゃん…ボクの手を包んでくれないの?

「アナタはこっちに来なさい」

女の人はボクの襟を掴んで引っ張る…
ボクはつーちゃんの手が離れた悲しさで抱きしめる力が弱くなってて…

つーちゃんから引き離されてしまった。

「何で…何で…つーちゃん…ぅ…ぅぅ…」

空になった両手でボクは顔を隠してしまう…何がいけなかったの?

もう何も分からない…ワカラナイ…

何で…ボクはつーちゃんの隣に居たいだけなのに…

「アナタはここに居ちゃダメなの?分からないの?」

女の人がまた声をかけてくる…なんでそんなことばっかり言うの?

もう…頭の中がグチャグチャで考えられない…

「わからない…わからないよ…」

ボクは声に出す言葉も整理できていない…

「なら…ここからいなくなればいいんじゃない?ねぇ、綱吉君?」

女の人はつーちゃんに声を掛ける…なんでつーちゃんに声を掛けてるの?

「……奈那…ごめん…急だけど…今日は帰ってくれないか?」

つーちゃんがボクに声をかけてくれる…嬉しいけど…つーちゃん辛そうだよ?

「なんで?つーちゃん…苦しそうなのに…ボクがちゃんと支えるよ?」

ボクはボクのことより、つーちゃんが辛そうなのが気になるし…こんなときに傍に…

「奈那!…ごめん…今は…ごめん…」

「…分かった。今のボクだとつーちゃんの迷惑になっちゃうんだよね…明日…家事だけしに来るね…」

ボクは…つーちゃんの声で分かるよ…今だけ少し時間が必要…なんだよね?

さっきまで泣いてて視界がぼやけてるけど…ボクは立ち上がって…歩き出した。

何度も通っているつーちゃんの家…見えなくてもどこにもぶつからず玄関にたどり着けるよ。

靴を履いた瞬間…ボクは…割り切れない気持ちと…つーちゃんの辛そうな声が耳から離れなくて…

そんな音や心を誤魔化したくなって…玄関から飛び出し…走り出していた…

行く宛なんて考えてない…切れる息…グチャグチャの頭…ただなんとなく走っていた…

ふと…目の前を見たらボクとつーちゃんの高校が見えた。

あの校門…あそこでつーちゃんを待つのが大好きで…

ボクは走るのをやめて…ゆっくりと歩きだす。

校門で待ってるときのドキドキ感…つーちゃんを見つけたときの嬉しさ…

高校に入って…まだ数か月だけど…嬉しい思い出がたくさん出てくる。

ちょっとだけ…校門で待ってたいな…つーちゃんはきっと来ないけど…

つーちゃんと話したこと…つーちゃんの笑顔…つーちゃんの腕に抱き着いたときの感触…

1つ1つ思い出して…またボクはつーちゃんが好きだって実感する…

もう少しで校門だ…もうちょっとで…いつもの……


そのとき…聞こえてきたのは…すごくうるさいキキーーッていう音と……



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