43:名無しNIPPER[saga]
2015/09/24(木) 00:26:20.03 ID:FoOUSOb7o
@壺
ひょんなことから壺を何種類か手に入れた。
どうしたものかと思ったが、菫さんをからかうのに使えそうだと思い、下準備をすることにした。
まずは照さんに、蓋付の壺があるんですが、なかなかおしゃれなのでお菓子入れに使いませんか? と持ち掛けると、「くれるなら使う」とのことだった。
ただでと言うのもあれなので、100円でどうです? と聞いてみたところ、「100円なら」と商談が成立したので、みんなには値段は内緒ですよ、とお買い上げいただいた。
次に尭深さんに、良さそうな漬物壺を手に入れたんですが、僕は使わないので、どうです? と持ち掛けると、「おばあちゃんがちょうど欲しがってたの」とのことだった。
ただでと言うのもあれなので、100円でどうです? と聞いてみたところ、「100円なら」と商談が成立したので、みんなには値段は内緒ですよ、とお買い上げいただいた。
最後に淡さんに、100円で壺を買いませんか? と持ち掛けると、「いらない」とのことだった。
買わないならそれでいいですけど、みんなには値段は内緒ですよ、と素直に引き下がり、準備が整った。
1ヵ月後。
菫さんに、壺を1万円で買いませんか? と持ち掛けたところ、「馬鹿かお前は。買うわけないだろう」とのことだった。
照さんと尭深さんは買ってくれましたよ、と伝えると、鼻で笑って「嘘をつくな」と疑う様子。
それならばとみんなが集まっている部室に行き、壺の具合はどうです? と聞いてみたところ、「ばっちり」、「おばあちゃんも大喜びでした」とのことで、動揺する菫さん。
「待て。こいつの持ってくる壺をそんな値段で買ったのか!?」
と二人に問いかけたが、照さんと尭深さんは口を揃えて「そんな高い買い物じゃなかったよ」と言うばかり。
動揺を隠し切れない菫さんに、さっきと同じ値段のこれでどうです? と指を1本立てると、そのやり取りを見ていた淡さんが、「あ、みんな買ってるなら私も買う」と口を挟んできた。
残念ながら壺は残り1個なんですよ、と言ったところ、「じゃあこれでどう?」と指を二本立ててくる。
本当に良い物なので菫さんに買って欲しいんですよね、と言いながら菫さんを見ると、菫さんは大いに悩みながら指を三本立ててきた。
五本くらいまでは引っ張れそうだけど、まあ良いか。
わかりました、菫さんにお売りします
と言ったところ、ほっとした様子の菫さんに、「えー、これくらいまでなら出すつもりだったのに」と両手の指を全部立てて不満げな淡さん。
菫さんに、大事にしてくださいね、と壺を渡すと、「そのつもりだ」とにっこり笑って受け取ってくれた。
ではお金は明日でとなり、くつろいでいると誠子さんに「おい、さっきの……」と声をかけられた。
今日の部活後にネタばらししますよ、と伝えると、「それなら良いけど」と引いてくれた。
部活後、重いですから僕が持ちますよ、と適当に理由をつけ寮の部屋までご一緒することにした。
部屋の前についたところで、一連の流れを説明し、
菫さんが将来、宗教や結婚詐欺師に騙されないか、本気で心配です
と伝えたところ、怒りのあまり無表情となった菫さんに壺で頭を叩き割られた。
後日、伝え聞くところによると、壺は菫さんの部屋に飾ってあるそうだ。
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