過去ログ - A Rabbit's Life (オリジナル百合)
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14: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/09/22(火) 18:30:56.92 ID:7xDrI19W0
ケイトスは見かけより、いくぶん幼い印象を受けた。
一通りの日常生活、会話はできるがどこかなじまない。
ドナーになる前からこんな感じだったのだろうか。
ケイトスは表情もあまり変わらない。
移植手術後にはよくあることだ、と昔施設の人が言っていたっけ。
提供した体の運動神経が発達する一方で、感覚や自律神経が衰えるとか。
揺れるバスの中、彼女はつり革を大きく振りながらも、相変わらず人形のようで少し不気味だった。
バスで30分程移動し、近場のビジネスホテルに泊ることにした。

「ラビット、飲む?」

私は頷いた。
部屋に入って早々に、少女は、コップを二つテーブルへ置き、先ほど買ったトマトジュースをなみなみと注ぎ始める。
耳を傾けつつ、私はカーテンの隙間から外を見る。
死角の場所を確認。
特に不審な人影はない。
どうやら、追手はいないみたいだ。

「ふう……」

ダブルスのベッドに腰掛ける。

「はい」

「ありがとう」

コップを鳴らす。

「なに」

ケイトスが首を傾げた。

「逃走を祝して」

そう述べ、私はトマトジュースを一息で飲み干した。


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