過去ログ - A Rabbit's Life (オリジナル百合)
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5: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/09/22(火) 15:37:35.63 ID:7xDrI19W0
少女の頭部に触れる。
肌ざわりの良くない体毛に包まれた頭を確認する。
血は出ていない。
そもそも、同じ色の血液が変態後に出てくるのか。

「どうだ? 生きているか」

「分からない。呼吸はしていない」

「脈を見ろ、ふざけているのか」

苛ただしく、彼は言った。

「脈は……」

弓を張ったような脈動。
瞬間、体が吹っ飛ばされる。

「うわ!?」

垂直に吹っ飛ばされたようだ。
大きな爪のある方の手で足を捕まれる。
振り回され、青空が2回見えた。
そして、背中を大木に叩きつけられた。

「がはッ……」

意識は残っていた。
他の奴らが、次々に彼女の頭部に噛み千切られていくのを見た。
さっきまで偉そうに威張っていた奴もみんな。
あいつの名前はなんだったっけ。
思い出せない。
そもそも覚える気もなかったし、覚えなくてもいいと言われていた。
どうせ、みんなこうやって死んでいくのだから。

ケイトスの猛襲が止む。
時間が経つと、彼女はまた元の少女に戻っていた。
彼女はこちらに歩み寄って、私を立ち上がらせた。

「ごほッ……」

喜ばしいことに私は人よりも頑丈だった。

「あれ、動かせる?」

始めて聞く同年代の少女の声。
風のように透明感があってふわりとしていた。
先ほどの地鳴りのような咆哮とは違う。

彼女の指さす方を見た。
ヘリが今にも、離れようとしていた。



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