過去ログ - 朝日奈葵「苗木ととれーにんぐ!」
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15:名無しNIPPER[saga]
2015/09/29(火) 01:38:34.77 ID:1PiTQL0R0
今度こそ、ボクが生唾を飲み込んだ。
朝日奈さんの隣へ座る。ベッドが二人分の重さで、より深く沈んだ。
びくっ、と彼女は身を固くしたものの、拒絶の態度を露わにはしなかった。
彼女の腰に手を回し、五指をお腹の肉に指を這わせると、警戒の色が一気に高まるのを感じた。
ところが――いつまで経っても、その手が振り払われることはない。
布越しに感じるのは、熱い血潮の鼓動と、力を入れたら包み込まれて、二度と抜け出せなくなるような柔肌。
まるでボクの言動を待つような間。
「朝日奈さん――これは、訓練なんだよね?」
ボクは最後の理性を総動員させて告げる。ビンタの一発二発は覚悟していた。『彼女のため』という大義名分を一応果たすために、彼女は無防備すぎるということを教えたかった。
もうボクじゃ、抑えが効きそうにないから。
「ここまでされたら――逃げなきゃいけないんじゃない?」
「――っ!」
まるで相手を気遣っているかのような物言いを、我ながら馬鹿らしいと思う。堪えきれずに抱きついたのはボク自身だというのに。
そうして一つ数え、五つ数え……十数えても、ボクの手が振り払われることはなかった。
ベッドに腰掛けるボクの膝と朝日奈さんの膝が、密着していた。
いつの間にか荒くなっていた呼吸が、ふたり重なった。
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