過去ログ - 朝日奈葵「苗木ととれーにんぐ!」
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18:名無しNIPPER[saga]
2015/10/12(月) 19:58:46.51 ID:bAfjMS1u0
覚悟が決まった。
というより、すべてを諦めた。
たとえ彼女がボクにくれている信頼を永久に裏切ることになったとしても、今この瞬間に奪い取る快楽はそれに見合うと錯覚した。そうやって人は間違いを犯すんだろう。
シャツの裾から、彼女の生の肌に触れる。ぴくんっ、とカラダが震えるのを無視して、熱っぽいわき腹を無遠慮に撫で回す。
さしゅっ、さしゅっ、と、この部位以外ではありえないしなやかさと柔らかさを併せ持つ音が、衣擦れの内側に篭った。
「ん……んんっ、ん…………っ!」
ボクの鼓膜に、朝日奈さんのかすかな、しかし切実な喘ぎが、粘液のように張り付く。
そこでようやく、ボクは朝日奈さんの顔を見る。
目を瞑り、唇を引き結んだ彼女の横顔は羞恥に染まっている。
と――僅かに遅れたタイミングで、彼女も目を開けてボクを見つめ返してきた。一流スポーツ選手ならではのカンの良さなのかなと、ボクはヘンに感心してしまった。
そんな悠長な感情は長続きしない。
潤んだ瞳が、こちらを見据えていた。
以前までのボクなら――女の子が泣いているそれだけで尻込みしてしまって、すぐに1メートルは飛び退いて後悔し平身低頭彼女に謝罪したことだろう。
だけど、涙に彩られた眼の水面の奥に光るのは――ボクに続きを望むものに見えた。
自分では壊せないものを、他の誰かの所為にして目茶苦茶にしたい、そんな感じの我侭。
もちろん、確証なんかない。
でも、自分の行いを正当化して、行為をエスカレートさせるには、それで十分すぎるほどだった。
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