過去ログ - 朝日奈葵「苗木ととれーにんぐ!」
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27:名無しNIPPER[saga]
2015/10/24(土) 02:49:29.43 ID:eyr3w6Oi0
はぁ、はぁ、と、室内は再びボクらの呼吸だけになる。
ふと、掴んでいた胸の脈打ちが速くなった。
続けて、剥き身のミカンの房みたいな唇が閉じて、ボクは思わず身構える。
「苗木だから」
強張ったこの身の隙間に染み入るような、不思議な声音だった。
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「他の人じゃ……絶対しない」
いま苗木が訊いて来て、やっとモヤモヤが晴れた。
きっと、言いたくて仕方なかったんだ。
思えば、ここまでこじつけた私の行動全部がウルトラC、恥ずかしさの綱渡りだったんだから。
隣に座ってきて、身を捩じらせても、苗木は放してくれなかった。私と違って、いつも周りに気を遣ってばかりに見える苗木が、いま私を捉まえていた。
そうしてカラダを触られ、押し倒されて、恥ずかしさで死にそうになりながら、混乱しながら、でも、ずっとモヤモヤしてたもの。
こんな突っ走った行動をした理由。
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