過去ログ - 朝日奈葵「苗木ととれーにんぐ!」
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3:名無しNIPPER[saga]
2015/09/24(木) 00:02:25.91 ID:nH3K612x0
ボクは廊下を見回した。どうやら、今の様子を誰かに見られたというコトはないようだった。
ひとまずは安堵しながらドアを閉めて、振り返る。
「……………………」
普段通りのボクの部屋に、普段通りじゃない要素がひとつ。
朱色のジャージにホットパンツ、そこかしこから健康的な魅力を振りまく女の子――朝日奈葵。
その朝日奈さんが、ボクの部屋にいた。
ひとつ誤解してほしくないのは、彼女は、決してボクが無理矢理連れ込んだわけじゃないということ。
むしろボクの意図なんか無視して、彼女は押し入ってきた。
それだけでもボクにとっては十分、慌てながら首を傾げる材料になるんだけど――更に不可解なコトがある。
脇目も振らず押し入ってきた彼女は、部屋の真ん中に立った途端、ぴたりと動きを止めてしまったのだ。
近寄りがたいような、声を掛けるのにも少し気後れするような――朝日奈さんにしては珍しい緊張感が、その背中から漂っていた。
そんな訳でボクは戸惑い、躊躇った、でも、
「ともかく……座ったら?」
これだけ気色ばんできたってことは、用件はなんにしろ、じきに彼女から言い出すことだろう。
だったら急かすよりも、いったんは落ち着いてもらう方がいい。
うん………我ながら冷静で的確な判断だ。これも霧切さんの探偵手伝いをしてきた中で培われた、情報取得術かな――
「わ、分かってるよ! 苗木に言われなくたってさ!」
――怒られた。どういうコトなの霧切さん。
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