過去ログ - 朝日奈葵「苗木ととれーにんぐ!」
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30:名無しNIPPER[saga]
2015/11/06(金) 00:34:06.46 ID:sfGYlI770
「もう……逃げられないんでしょう? 私、苗木から……」
 
 関係性が変わってしまう。

 それが嬉しくもあり、怖くもある。

「だったら逃がしちゃ、いけないよね……苗木、言ってくれたよね」

 とってもずるい、ダメ押しのひとこと。

「私は……朝日奈葵は、魅力的なんだよね? 苗木から見ても……答えて?」 

 目線を下げながら、うん、と律儀に返してくれた苗木に愛おしさを覚えながら。

「――舞園ちゃんや霧切ちゃんと比べても、そう?」  

 あまりにひどい、とどめのひとこと。

「あ、あさひな、さん……?」

 苗木の目が猫みたいに見開かれる。動揺している様子がとてもかわいらしく見えてくる。

 そんな苗木に、殊更ぎゅうぎゅうと胸と、腰を押し付ける。

 抱きしめて、背骨をなぞって、汗を擦り込ませる。

「――答えなくてイイから」

 苗木がどうかは知らないけれど。その先を聞く勇気は、まだ私にはない。


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