過去ログ - 妹「お願いだから死なないで」
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10:名無しNIPPER[saga]
2015/09/24(木) 16:41:40.46 ID:VB0G/KlUo

 03.

「掃村」

 授業終了の鐘が鳴って教師が教室から退出する、
と時を同じくしてすぐ隣の席に座って授業を受けていた深巫は
そのまま座ってる椅子をこちらに向ければ済む話なのにも関わらず
一度席を立って僕の机によいしょと形の良いお尻を下ろす。
肉付きがよいお尻がむにっとなる感じがとてもまる。

「どうした、浮かない顔をしているようだけど」
「君ほどじゃないよ、腹痛の波は去ったの?」
「あー、まー、普通かな」
「そうかい」

 くすくすと、不意に深巫が笑う。
愉快そうに痛快そうに、嫌らしい表情で笑う。

「しかし君も天邪鬼だ。
 他人に妹さんの事を語られるのは好ましく思わないくせに
 自分自身の頭の中は妹さんの事で一杯かい?」
「……なにを言ってるんだい君は」
「授業中、随分と物思いに耽っていたみたいだけど?
 授業にもっと集中した方がいいと私は思うよ」
「その言葉そっくり君に返すよ、
 僕を見てる暇があったら黒板を見ろって」
「ふふっ、あんまりにも横で集中されているようだったから
 ついつい気になってしまって困りものだ」

 一人で頷きながら笑う彼女、
僕は嘆息を一つついて席から立ち上がって背中を向ける。

「どこに行くんだい?」
「屋上」
「一昔の不良みたいだね、授業はどうするんだ?」
「……さぼるよ」
「そうかい、では私は知らぬ存ぜぬを通すか」
「頼んだ」

 休み時間特有の教室の喧騒を抜け
僕は人の少ない廊下を一人歩く。
昼の休みならともかく授業間の短い休みで
トイレ以外の理由で教室を出る人間は少ない。

 ふと、廊下の反対側の壁、そのほとんどの面積を覆う窓を見てみれば
外は快晴、雲ひとつ無い空から降りる日光に中庭が照らされ
比較的大きな池で定番の鯉がのんびりと泳いでいるのが見て取れた。


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