19:名無しNIPPER[saga]
2015/09/24(木) 17:16:51.46 ID:VB0G/KlUo
「おいおい、いまやることかい?」
「万が一があるからね」
即座に自分の席に腰を下ろし鞄の中身を
机の上にぶちまける。MP3プレーヤー・カロリーメイト・
うがい薬・文庫本・割り箸にグミに薬局で売ってるウィダーもどき。
ポケットティッシュに小さい懐中電灯・ゲーム機。
そして申し訳程度の筆記具。
「相変わらず酷い中身だね。学校をなんだと思ってるんだい?
友達の家に遊びに行くにしてもいらないものが多いよ」
「……」
「掃村?」
鞄のポケットを覗きひっくり返し、それがない事を幾度も確認する。
なんてこった、もっとも無くなっていて欲しくないものがなくなっている。
「どうしたんだい。妹さんが亡くなった、みたいな顔しているけれど」
「そんな嬉しそうな顔に見えるかい?」
「……今のは普段なんと言おうとも実際妹さんが亡くなったら
今みたいな顔になるだろうという含みのつもりだったんだけどね」
ため息吐いて肩を竦められた。
呆れたと言いたげなその態度に少々いらっときつつ、
けれどとりあえずは問われたことに答える。
「ないんだよ」
「ない?」
「あぁ、僕の十徳ナイフがなくなってる」
コルク抜きやノコギリやらがついてるサバイバル用のアレだ。
わざわざ冊子系の通販で注文したお高い奴だというのに。
なにが不味いって色々と持ってることをばれたらヤバイものだからな。
「君はそんなものまで学校に持ち込んでなにをするつもりなんだい?
漂流教室みたいな事態は起こりはしないんだよ?」
50Res/42.46 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。