30:名無しNIPPER[saga]
2015/09/26(土) 21:02:03.69 ID:bhwVwpdVo
―――
鐘が鳴る。学校生活を恙無く送っている限り、
予鈴に始まり下校時刻を告げる夕方のそれまで
日に幾度も聞くそれは生徒達にとって日常の音で。
小学校から高校卒業までのべ12年という期間聞き続けるそれも、
思えばあと一年半程で聞くこともなくなるのかと思うと
少々寂寥の思いすら馳せてしまう。
「掃村、どうだい今日は中庭にでも足を運ぼうか？」
授業後、昼休みに突入しざわつく教室。
いつも通りに僕に声をかけてくる深巫に
「悪い、今日は先約があるんだ」
そういって大神の所に鞄を持って向かう。
深巫のなにか言いたげな目から逃げるように。
賭けの清算の為に。
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