過去ログ - 「妖精職人の朝は早い。」
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9: ◆ERH4IkRlmI[saga]
2015/09/26(土) 22:03:26.57 ID:AIfgIqZF0

「ここ、良さそうですね」

職人は、とあるアパートの正面に車を停めた。子猫が数匹、アパートの駐輪場でじゃれ合っている。

「妖精は猫、特に子猫がいる場所に集まってくるんですよ」

早くも職人の豊富な知識を垣間見ることができた。

車から降りた職人はトランクを開けて空の段ボール箱を取り出し、両手で抱えて駐輪場へ入って行く。

「普通、妖精を集める時は何に入れます?」

ーー頑丈な籠じゃないですか?

「そうですよね。でも、僕は段ボールに入れるんです」

妖精は顎の力が強く、通常、段ボール程度の入れ物では噛み破って逃げてしまう。

しかし、職人は、妖精が逃げ出す心配は無いと言う。

「無理矢理閉じ込めるから逃げ出すんですよ。ま、見てて下さい(笑)」

職人は目を瞑り、口笛を吹き始めた。

…なんと、妖精が四方八方から飛んで来て、自ら段ボール箱に入っていくではないか!

十分に妖精が集まったところで、職人は口笛をやめて段ボール箱の蓋を閉めた。



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