過去ログ - 【SAO】アインクラッドでおっかなびっくり生きる 20 【安価】
↓
1-
覧
板
20
225
:
◆GVCfHyzjmtRo
[saga]
2015/10/20(火) 02:36:09.61 ID:vtikXOHKo
声はすぐ側にある深さ3.5m程の切り立った穴の中から発せられたものだった。
万が一にもトモミが落ちない様に手を繋ぎ、注意を促してから覗き込むと、
その穴の中に動きやすそうな服装の上から革の胴衣を装備した若い男性が居て上を見上げていた。
黄色いカラー・カーソルにNPCを示す情報タグ、そしてクエスト進行中を表す金色の【?】表示。
この男性NPCが【帰って来ない】【【毛皮を仕入れに出かけた人族の仲間】でほぼ間違いなさそうだ。
トモミ「だ、大丈夫ですか?」
マサムネ「なんでまたそんな所に……」
若い男性NPC「……ご、ご説明します……」
ファン・ケンペンと名乗ったこの男性はやはり狩人なのだそうだ。
森に入ったケンペン氏は非常に珍しく希少価値の高い白い狼を見つけて喜び勇んで追い掛け回していたのだが、
どうも夢中になりすぎて周囲への警戒が疎かになったらしい。
凶暴なキラーマンティスに追われる羽目になって必死に逃げに逃げ続けた結果、
あろう事か自力で登ることの出来ない様な穴に落ちて《ウェルト》に帰れなくなってしまったという。
ケンペン氏がそこまで説明した所で待っていたかの様に……まあ実際待っていたのだろうが、
側に居た白犬もどき改め白狼が、穴を背にして唸り声を上げ始めた。
白狼の視線の先に湧出したWounded Fierce Killer Mantisは……俺、トモミ、マサムネの順に1撃ずつ入れただけで砕け散った。
湧出した時点でHPが減少していたので、その名の通り手負いだったのだろう。
ファン・ケンペン「だ、大丈夫でしたか?すいません警告が遅れてしまって……」
アーテル「問題ありません、この狼が知らせてくれましたしね」
ファン・ケンペン「実は……その白い狼はここでさっきのキラーマンティスを度々追い払ってくれていたんです」
アーテル「ほう」
ファン・ケンペン「他にも木の実や果物を落としてくれたり……」
マサムネ「私達がここまで来られたのもこの子のお陰かな」
ファン・ケンペン「そうでしたか……」
トモミ「……あの、穴から出られなくて困っているのですよね……?」
ファン・ケンペン「あ、はい、えっと、すいません」
ファン・ケンペン「近くに僕の荷物が落ちていると思うんです、鞄の中にロープが入っていますので探して頂けませんか?」
ケンペン氏は細身で俺と同程度の身長なので体重もそう変わらない可能性が高く、また見るからに軽装だ。
深さは3.5m程、底は1畳程の広さしかないので助走は出来ないが、これならまあ余裕だな。
俺が穴に飛び降りるのを見たケンペン氏はなかなか味わい深い反応を見せてくれたので今後に期待という所だろうか。
ファン・ケンペン「……!?……!!?」
アーテル「ちょっと失礼」
ケンペン氏を肩に担いで穴から跳び出たらロープを手にしたマサムネが呆れた顔で出迎えてくれた。
手間を省くつもりだったのだがマサムネが既にロープを手にしていた辺り、ケンペン氏の荷物とやらはどうやら意外と近くにあったらしい。
若干混乱が伺われるケンペン氏の反応と状況から察するに、本来想定されていた救助法は恐らくこうだと思われる。
ケンペン氏の荷物を探し、獲物を縛る為に所持していたというロープを鞄の中から取り出して近くの木に結び、穴に垂らす。
そうしてやればケンペン氏は自力で上がってこられる様になるので、そのまま上がってくるのを待てば救助完了、と言う運びだ。
勿論プレイヤーが持ち込んだロープでも同様の事が可能だろう。
ケンペン氏は俺とトモミとマサムネに何度も何度も頭を下げて、これで帰れると嬉しそうに涙ぐんだ。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
1002Res/1286.71 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 【SAO】アインクラッドでおっかなびっくり生きる 20 【安価】 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1443282795/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice