過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
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52: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/09/30(水) 15:46:55.58 ID:VX5BVwsyo

 ご
 め
 ん

──なぜ、あやまる?

 とその時、体が激しく揺れた。俺の体が言うことを聞かず、倒れこんだのだと思ったが違った。鈴羽も同様に体勢を崩していた。彼女が激しくシートに押さえつけられて悶えているのを俺は黙って見ていた。まるで音のない白黒映画のようだった。しかし、そんな状況下で鈴羽が顔を歪ませながら体を起こして、こちらへ寄ってきた。鈴羽の手がゆっくりと伸びてくる。俺の口元に何かが括りつけられる感触がわずかにした。気を抜けば一瞬で閉じそうなまぶたを必死に開ける。
 今度は、透明なマスクをつけてない鈴羽の顔がすぐ近くにあった。

 何物にも覆われていないむき出しの唇が再び動いた。緩やかになったその動きを無意識に追う。

 ご
 め
 ん
 ね

 俺はもう、目を開け続けることができなかった。意識は徐々に遠のいていき、完全に失われた。
 遠く──はるか遠くで、かすれた警告音が周りをぐるぐると駆けまわる音がしていた。


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