過去ログ - Steins;Gate「二律背反のライデマイスター」
1- 20
557: ◆gzM5cp9IaQ[saga]
2015/11/14(土) 01:30:34.60 ID:H2DFSvqUo

 俺と紅莉栖は2000年以降、世界の構造を理解するため世界線理論について議論を重ねてきた。
 最終的に出した結論は、タイムトラベルした俺たちの存在を保つため、あらゆる収束が働き、いかなる理由があろうとも、3人は再び1975年へと旅立つというものだった。
 ”俺”たち3人が過去へ跳ぶことが無ければ、1975年へと跳んだ俺たちは矛盾した存在となり、消えるだろう。
 かと言ってその矛盾を解消するために俺たちの存在が消えればそれもまた、因果は成立しなくなる。
 なぜなら、ねじれた世界線が形を戻した先は、鈴羽が不完全な状態のタイムマシンに乗って記憶を失い、やがて自らの命を絶つ世界線のはずだから。
 そうなれば”俺”は鈴羽の思い出とまゆりの命を天秤にかけることができずにタイムリープで2日間を延々と繰り返すだろう。
 そのループの行き着く先は、この俺が積み重ねた年月に収束するはず。俺の存在が無くなってしまうのであればそれもまた、矛盾だ。
 だから何かしらの理由で、俺たち3人は1975年へと跳躍する。俺と紅莉栖はそう結論づけた。
 
 けれどそれは間違っていたのかもしれない。
 構築した世界線理論に元に考えれば、世界は1つだ。それは紛れもない事実。
 だがこの世界はきっと、2つに揺らいでいる。
 この俺がまゆりの死を経験し、使命を鈴羽に託し、絶望の手紙を受け取った世界。
 そしてその絶望から逃れるためループを繰り返し、やがて1975年へと旅立つ世界。
 その2つが切り替わるように。
 なぜなら今ここにいる俺は、まゆりの死と鈴羽の絶望の間で揺れ、悩み、迷い、そして立ち上がった存在だからだ。
 その過程がなければ、きっとここまで辿り着くことはできなかった。
 その軌跡こそが今ここにいる俺の存在を、俺たらしめているのだ。
 今のこの世界線がオフになれば、俺という存在は矛盾になる。
 再びこの世界線がオンになれば、俺という存在は形作られる。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
573Res/579.73 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice