過去ログ - ?「咲が好きなのは私!」咲「ふえ?」
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383:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:01:20.13 ID:rSFTIGAzO
でも、それでも。

 考えてしまう。望んでしまう。

 再び家族で笑い合える日が来ることを。姉と、笑い合える日が来ることを。

 そんなことを考えてしまう自分が、本当に嫌だった。原因は自分にあるくせに、過程をすっ飛ばして解決を望むのだ。その方法を人任せにして。元々社交的な性格でない少女に、上手い口実など思い浮かぶはずもなく。かと言ってこのままでは何も事態が好転しないことは既に理解している。
 引くに引けない状況を作り出してしまっても、結局彼女にはどうすることもできなかった。

 その後すぐ、少女の姉は母親と一緒に東京へと引っ越してしまった。何の解決にも至らないまま、ずるずると時間だけが過ぎていく。その時間が長くなればなるほど、少女の心中には恐怖が募る。姉は自分のことを憎んでいるのだろう。もう一生このままなのかもしれない、両親が離婚してしまったら、それこそ二度と会うこともなくなるかもしれない。

 心の底では、こんな喧嘩別れのようなことは望んでいなかった。

 後悔だけが募り、しかし行動には移せないまま、気がつけば数年の歳月が流れていた。
 父と二人の生活にも違和感を感じなくなるようになった、そんなある日。何の連絡も無しに、突然姉はやって来た。

 ――――その横に、見知らぬ少年を連れて。


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