過去ログ - ?「咲が好きなのは私!」咲「ふえ?」
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385:名無しNIPPER[sage]
2016/02/12(金) 20:05:40.28 ID:rSFTIGAzO
頭二つ分は離れていようかという身長差の二人は肩を並べながら、木造校舎の廊下を歩く。

「そういやコクマの代表に選ばれたんだろ? おめでとう」

 ふと思い出したのか、京太郎はそう言って笑みを浮かべた。それに対し、咲は照れながらも感謝の言葉を返す。

「ありがとう。まさか私が選ばれるなんて思ってなかったけどね」

「インハイ個人戦三位のやつが何言ってんだよ。十分代表圏内だったろ」

「でも今年の長野県って他の県から『魔窟』って呼ばれるくらいだから……」

「お前がその筆頭なんだけどな」

 ええっ? と驚きを示す咲に、京太郎はやれやれと息を吐いた。

 今月発売されたWEEKLY麻雀TODAYのインターハイ特集によれば、今夏のインターハイを席巻したのは多くの超新星。男子では奈良県の福与恒太。女子では西東京の大星淡、そして長野県の宮永咲というルーキーがインターハイという大舞台で大暴れしたことがでかでかと書かれていた。

 ちらりと、京太郎は横で目尻に涙を浮かべて『わ、私が筆頭なの? 魔物なの?』と制服の裾を引っ張ってくる咲を見る。

 インターハイ団体戦準優勝の立役者にして個人戦三位。これだけの結果を残しておきながら、逆に選抜されないほうがおかしな話である。麻雀をしている時の咲は普段とは雰囲気が全く異なり、纏う雰囲気は正に絶対的強者のそれだ。インターハイの会場で直にそれを見ている京太郎は、咲の凄さというものを一番近くで感じていた人間の一人だ。

 が、麻雀をしている以外の咲は基本的にポンコツであり、今もそうしているように京太郎への甘えが目立つ。
 それを嫌だとは思わず可愛いと感じてしまう京太郎は、かなり咲に入れ込んでいるなと内心で苦笑した。

「ほら、もう教室つくぞ」

「わ、わ。待ってよう京ちゃん!」

 歩幅の違いから数歩先を歩き出した京太郎を、涙目のままの咲が慌てて追いかける。


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