過去ログ - ?「咲が好きなのは私!」咲「ふえ?」
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名無しNIPPER
[sage]
2016/03/10(木) 11:24:38.11 ID:yhiAuwOf0
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誰もいない場所、町中の狭い路地の奥、夜とも朝ともつかない、仄暗い道上。
立っている足元が背後から崩れ落ちていく。そこから追い出されるように走る。
目を瞑って一心不乱に走って、ふと立ち止まると、大通りに着いていた。
立ち並ぶ店や家々は暗く、そこに空は輪をかけて虚ろに、ただ看板のネオンが不気味に輝いている。
大通りを歩くと道はすぼみ、元来た道を戻ろうと振り向くと家も大通りも消え、寂れた小道になっていた。
道なりに歩くと、何人かの人が切れかかった電灯の立ち並ぶ下で何かを話し合っている。
声は聞こえず、目を向けるとそっぽを向かれ、それでいて私をじっと見つめている気がする。
不気味に思って横道を曲がると、四つ角と電柱があった。過ぎて歩いても同じ道にたどり着く。
私の目の前を横切る人があって、長いコートの襟を立てて俯いたまま早歩きで通り過ぎていく。
三つ目の交差路で角にしゃがんでいる人を見た。何かに怯えるように耳を塞いでいる。
それは私と同じような道を辿ったのではないかと思って、そちらを見ずに早歩きで通り過ぎた。
しばらくすると遠大な通りに出た。空は明るく人が沢山いて、中には知った顔もあった。
ほっとしてそこに駆け寄る。知り合いの楽しそうに話している中へ混じり今までの体験を話そうとした。
けれど私の話を聞く者はなく、どころか誰も私の姿を見てもくれなかった。
その後どこに行っても誰に話しかけようとしても反応がなく、街全てが私を忘れてしまったようで―――
怖ろしくなって走り回って、見慣れた道をずっと進んで最後に、たった一つの居場所に着いた。
清澄高校の旧校舎の階段を駆け上り、大きな扉を開けた先。皆はいた。
四人で楽しそうに卓を囲んでいた。大きな衝撃を受けた。五人で全員、私の入る隙間さえも無く……
ふと気付けば、暗闇がすぐ背中まで迫っていた。抗うことも逃げることも出来ず、世界が崩れ落ちて闇へと転落した。
そして奈落の底で姉を見つけた。彼女は私を一瞥すると背を向け歩き去る。叫んで追い縋って泣き叫ぶ。
けれど彼女は―――いや、誰も私を見てはくれない。
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