過去ログ - モバP「ミッドナイト・ランナー」【モバマスSS】
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28:carP[saga]
2015/09/27(日) 22:40:56.20 ID:/tpXNcaA0


 それから、三人でテスタロッサのモディファイが日々が開始された。テスタロッサは裏の廃車置き場の隅に、シートをかぶせて保管した。

 毎日、営業時間が終る夜7時に集まって食事してから、深夜近くまで作業をする。
 拓海の仕事が抜けられない時は、ヘレンが。ヘレンがバイトで抜けられない時は、拓海が。どちらか一人が、必ず助手に付いた。

 留美は、黙々とテスタロッサの整備を行った。


 まずは、テスタロッサの本来の性能を引き出す為のメンテナンスだ。山積みの問題点の一番のネックは、元のコンディションが悪い事。元が悪いままチューニングした所で、性能は上がる訳が無いのだ。

 その中の問題点の一つで留美が指摘したのは、買った時から装着されていたケーニッヒのマフラーだった。

 レーシングマシン並みの快音を奏でるマフラーだけに、排気効率は高い。所謂、ヌケが良いと言われるマフラーだ。

「……ただ、ノーマルエンジンにこのマフラーだと、抜けすぎるのよ」

 テールからはみ出る、2本のマフラーを見ながら留美は言った。

「ヌケ過ぎる?」

 拓海は間抜けな顔で聞き返した。

「……元々の燃料噴射量を、ノーマルマフラーに合わせて調整しているんでしょうね。

 排気効率は上がっても、噴射される燃料の量が足りていないのよ。つまり、燃焼室内の混合気が足りなくなるって事なの。

 このマフラーのままじゃ、恐らくノッキング(異常燃焼)を起こすわね」

「……そんな事言っても、ノーマルのマフラー何て持って無いわよ?」

 ヘレンはそう言うが。

「……だったら、燃料を増量するだけよ。勿論、燃やす燃料が増えるなら、火花も大きくする必要があるかしらね」

 留美は人差し指で、丸い金属の筒をピンと跳ねた。





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