10:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:45:33.27 ID:Csg2FCKN0
他人を嘲笑えば嘲笑うほど、他人と自分を比べれば比べるほど…… 惨めになって泣けてくる。
そんなことしたって何も生まれない。
お前は一体何をしてきたというのだ。
いつから人を笑えるほどの身分になったというのだ?
自分の人生であるにも関わらず、それすら傍観に徹するお前が。
そんなお前が…… なんの価値もないお前が。
これはお前の人生なんだぞ。
人生は一回しかないんだぞ。
泣いても笑っても一度きり、もしかしたら明日でも明後日にでも死ぬかもしれないのに。
後で泣こうが手遅れだ。
どうせ死ぬ間際に後悔するんだろう?
過去の想い出に閉じこもり、他者の幸せに嫉妬して、世界を呪って死ぬんだろう?
そっと、スマートフォンの画面を閉じる。
紫煙をくゆらせ、弱々しく煙を吐き出す。
ゆらりゆらりと…… まるで俺のように薄弱な煙が換気扇の渦に飲み込まれていく。
一層のことこのまま消えてしまえたら。
こんな世界から何の痕跡も残さず消えてしまえたら。
俺という人間が生きていたという事実そのものを消してしまえたら。
タバコを蜂の巣状の灰皿、その穴へ落とす。
そしていい加減に布団を引っ張り出して、乱暴に部屋の電気を消した。
このまま眠りに落ちて、明日になったら世界が変わっていますように。
ここに来てもまだそんな戯言を内で呟いて、きつく目を閉じたのであった。
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