21:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 04:26:31.23 ID:Csg2FCKN0
何故こんな無駄知識を持っているのかというと―― 俺も過去に勧誘された経験があるからだ。
あれは大学時代…… 同じクラスにAくんという人がいた。
特に親しかったわけでもなく、会話も数えるほどしか交わしたことのない、そんな「同じクラスに所属している人間」という程度の間柄だった俺たち。
ところがある日、親しげに彼が話しかけてきた―― 今度の日曜、飲みに行かね?
親しくもない人間から突然飲みの誘いを受け悩んだが、別に嫌な人間ではなかったので了承した。
そしたら後は…… 皆さんの想像通り。
幸せになれる、凄い人がいる、ここだけの話で…… そんな文句の数々で誘われた。
馬鹿な俺はそれに乗ってしまい、後日に「凄い人」と会わされ、マルチビジネスに勧誘されたのである。
なかなか首肯しない俺の態度を見かね―― すごいひとはなかまをよんだ。
そうして召還された「更に凄い人」は俺に熱い語りで入会を勧めてくる。
「ね、試しに入ってみるだけでもいいからさ!」
「きっと彩音ちゃんの夢は叶うよ!」
「僕は彩音ちゃんみたいな熱い仲間が欲しいんだ」
そうそう、今繰り広げられているこの光景のように。
自分は騙されない、楽勝…… そんな風に思っている人間は多いと思う。
しかし自分だけは大丈夫と思っている人間こそが危ないのだ。
俺自身がそうであったから。
考える暇を与えないマシンガントーク、決してマイナス面を悟らせない巧妙な話術。
次々と発せられる甘い言葉に目が眩み、気付くと沼に嵌っていた―― そんな事態になりかねない。
俺も危なかった…… 場所がファミレスであったから、なんとか勇気を振り絞って店員を呼び助けてもらったのである。
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