3:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 03:21:25.57 ID:Csg2FCKN0
どうしてこうなった。
最近、いや…… こんな身分になってから、ふと我に返るといつもこの言葉が俺に重くのしかかる。
傍らには缶ビールとツマミ。
どうやら酔ってもこの言葉から逃げることはできないらしい。
どうしてこうなった。
ああ、認めよう…… 俺は底辺も底辺、ド底辺のクズ人間だって。
それではどうしてこんなことになってしまったのか―― もう一度振り返ってみよう。
成増善次郎(なりますぜんじろう)。
そう名付けられた俺はとある田舎で生を受けた。
善次郎という変わった名前は、どうやら「某財閥創設者のような立派な人間になれ」との希望から付けられたらしい…… まったく迷惑も甚だしい。
俺は三人兄妹の次男として、周囲からの愛を受けすくすくと育った。
そうして現在、父は会社員、母はパートタイマー、長男は地元で就職し家庭を築き、妹は高校生活を絶賛謳歌中。
対する俺は…… ニートになった。
ニートとは、就職活動もせずアルバイトもせずプータラしている人間のことを言う(厳密に言えば違うかもしれないが)。
では何故仕事に就かないのか―― そう思うであろう。
仕事に就かない…… いや、就けなかったのである。
俺は決して「できない」人間ではないはずだ。
自分で言うのもなんだが…… それは少なくとも一つの事実である。
例えば―― だいぶ遡ってしまうが、小学生の時には親から強制的に習わされた書道で入選したことがある。
しかも全国規模のコンクールで、入選した作品は東京のとある美術館に他の入選者の作品と共に展示されたほどだ。
それから英語技能検定も2級まで取得したし、運動面でも中学高校と厳しい野球部で三年間やり通した(レギュラーにはなれなかったが)。
そうして大学進学を機に上京して都内で一人暮らし。学校はいわゆる中流クラスであったが、有意義に四年間を過ごしたのであった。
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