過去ログ - 凛「島村卯月の憂鬱」 -SS速報VIP

過去ログ - 凛「島村卯月の憂鬱」

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42:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 19:43:52.46 ID:sL7Rumjxo
そこにはやはり、卯月の、自分も含めたすべてを諦めきっているような、

彼女に最後に残された私へのメッセージのようなものがあるのを感じた。

卯月は改めて何かを言い出すような素振りは見せず、

以下略

43:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 19:53:12.15 ID:sL7Rumjxo
卯月を救ってあげなくちゃいけない。

お互いに沈黙しあったまま、私は次第にそんなことを考え始めていた。

凛「卯月……」

以下略

44:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 20:03:08.77 ID:sL7Rumjxo
けれども、私が卯月の横に寄り添うように腰を下ろして、

その震えている手に触れようとした時、

卯月はそんな私の安い気遣いを拒絶するようにそっと手をどけるのだった。

以下略

45:名無しNIPPER[sage]
2015/09/30(水) 20:07:19.95 ID:V67ye2/40
凛ちゃんはお前じゃねえんだぜ

46:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 20:13:02.46 ID:sL7Rumjxo
私がこうして卯月の傍に近寄って、そして何かを求めるようにその少女の身体に触れようとしている、

その行為や存在が、丸裸な心の無防備な卯月にとって害悪なものでしかないのだ。

今の私が卯月のためにできるのはたった一つ、彼女の目の前から消え去ることだった。

以下略

47:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 20:22:37.01 ID:sL7Rumjxo
……未央もきっと、卯月と会っているうちに、こんな風に残酷な事実に突き当たったのだと思う。

けれども不思議なのは、未央は今でも卯月に関わり続けているし、

そして今日のことから察するに、未央は卯月に自分の演劇のことを話しているに違いなかった。

以下略

48:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 20:34:00.32 ID:sL7Rumjxo
卯月「……凛ちゃん」

卯月が私のほうを見ないで唐突に呟いた。

私はその苦しいような小さな声に動揺し、

以下略

49:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 20:43:56.26 ID:sL7Rumjxo
卯月「…………」

卯月は何かを言いたげに私の方を振り向いて、

そして次にはまた何か諦めたように私から顔を背けて独りになってしまった。

以下略

50:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 20:56:17.18 ID:sL7Rumjxo
そんな呪いのような感情に支配されて、

生まれて初めて自分以外の人間の存在を知ったように、

私は貪るように目の前の儚げな少女を見つめた。

以下略

51:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 21:07:13.90 ID:sL7Rumjxo
私は隣に座る卯月の腰に手を回して、意外なほどな力を込めて引き寄せた。

卯月がそれを拒むつもりがあったかどうかは分からない。

彼女は勢いのままに力なく私の肩にもたれかかって、

以下略

52:名無しNIPPER[saga]
2015/09/30(水) 21:17:27.89 ID:sL7Rumjxo
私に寄りかかるその柔らかな身体から、

彼女の甘い匂いが香り立って、私の口元に漂ってくる。

そうして全てを私に任せきっているような彼女の、

以下略

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