過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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◆WnJdwN8j0.
[saga]
2015/09/30(水) 19:32:43.77 ID:Kfzyy5RB0
まだダンスパーティーまで時間がある。
勇者はそっとパーティー会場を出た。
勇者(王子、ダンスは出ないのかな?)
兵士「勇者殿、どなたかお探しですか?」
勇者「あっ、いえ、ちょっと外の空気を吸いに」
正直に言えず、適当に誤魔化す。
もしかしたら王子は外にいるかもしれないと、勇者は庭の方に出た。
勇者(ここは静かだなぁ)
特別パーティー会場をうるさいとも思わなかったが、こう静寂に包まれた場所に身を置くと落ち着く。
勇者(…そう言えば、夜のお城は初めてかも)
庭の風景を見渡す。庭師が毎日手入れをしている花壇や、一流の職人がデザインした彫刻品が、月夜に照らされ幻想的な美しさを醸し出している。
深夜、人々が寝静まった頃に、妖精達が集まって踊りだす――そんな光景が目に浮かぶようだ。
勇者(何だかロマンチックだなぁ。こういう場所で――)
「愛しています」
勇者(そう、王子に愛の言葉を――って、え?)
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