過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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122: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/10/08(木) 11:36:09.76 ID:D5Z8hfqq0
勇者「精霊、精霊!! 良かった、本当に良かった……!!」

精霊「勇者……」

抱きしめてくる力は、勇者の気持ちの強さ。
力強い。だけど苦しくない。むしろ心地よくて、この腕の中にもっといたくて。

精霊「勇者……俺は、許されない罪を犯したんだよ」

勇者「知ってる。私が許す!」

勇者はぐしゃぐしゃと精霊の頭を撫でてきた。大雑把な勇者らしく、少し乱暴だ。
だけどその手が、今は何よりも優しく感じる。

精霊「ごめん…勇者のこと騙して、利用して」

自分は精霊を騙って封印から逃れた。
魔王を討つ為とはいえ、勇者を騙したことには変わりない。

勇者「いいんだ。私には魔王を倒す使命があった。あんたは、その力になってくれたんだから」

精霊「でも…でもね、俺…」

涙がぼろぼろと溢れてきた。
これだけは嘘じゃない。これだけは信じてほしい。

精霊「俺、勇者のこと本当に……っ」

それを伝えた後、返事を聞くのが怖かったけれど。

勇者「わかってるよ」

勇者の手が精霊の頭を柔らかく撫でる。
暖かくて、優しくて――その手から勇者の気持ちが伝わって、全てを委ねることができた。

勇者「一緒に帰ろう――ね?」

精霊「うん……うんっ!!」


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