過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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28: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/10/01(木) 19:13:55.44 ID:18qZdrt60
勇者「良かった……いなくなっている」

バルコニーを見上げ、誰もいないことを確認し勇者はほっとため息。
そんなこと知らない精霊は、庭で大いにハシャいでいる。

精霊「花だ〜! 月だ、風だ、土だ〜!!」ピョーン

宙に浮かび空中を飛び回る精霊。
月明かりの下で精霊が無邪気に遊んでいる光景だというのに、ちっとも幻想的に見えないのはどうしてか。

精霊「あぁ〜懐かしいなぁ外は……うん?」

精霊はピタリと動きを止め、何やら城の方を気にしだした。

精霊「何かなこの音楽。フンフンフーン♪」

勇者「あぁ……今頃ダンスパーティーをやっているからね」

色んなことがあったせいで、すっかり忘れていた。
王子は今頃、姫と踊っているのだろうか…。

精霊「ふーん。君は参加しないの?」

勇者「うん、まぁ……こんな格好だし」

精霊「格好? 変かな?」

勇者「変だよ。皆ドレスなのに私だけ男装だよ」

精霊「ドレス着ればいいのに、可愛い顔してるんだから」

勇者「かっ!? か、かかか可愛いわけ」

精霊「あ〜、ウズウズしちゃうなぁ。……我慢できないっ!!」ガシッ

勇者「えっ!?」


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