過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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7: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/09/30(水) 19:28:17.03 ID:Kfzyy5RB0
そこは先代の勇者が持ち帰った品々を置いてある部屋だった。
王子が見上げた先にあるのは剣――先代の勇者が魔王を討った時に使ったという代物だ。

使い古された上、製造技術も今より遅れていた時代に作られたその剣は、武器としてはもう使い物にならない。
それでも――

勇者「あの剣は、我が一族の誇りです」

見ると気が引き締まる。
あの剣には、先代の勇者が戦ってきた『歴史』が刻まれている。

王子「いずれ君の剣も、あの横に飾るつもりだ」

勇者「王子様……」

王子「君も勇者として名を残すのだ。私はそうなる未来を信じている」

未来。それは不確かなもの。
それでも王子は、信じると言ってくれた。

勇者「私も、信じます――」

それだけで勇者は、戦う決意を強く抱くことができた。



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