過去ログ - 女勇者「勇者よりも、お姫様になりたかった」
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◆WnJdwN8j0.
[saga]
2015/09/30(水) 19:30:32.75 ID:Kfzyy5RB0
賢者「勇者さぁ〜ん、どうしたのぉ。そんなしかめっ面しちゃってぇ」
既に酔っ払っている仲間が近づいてきた。
勇者「何でもない。それより賢者、たるみすぎ」
賢者「たまにはいいじゃないですかぁ〜。こういう時くらい、楽しまなきゃあ」
勇者「敵襲があったらどうするの」
賢者「大丈夫でーっす、私の大魔法でパパーっと片付けちゃうもんねぇ〜」
勇者(お酒好きなくせに弱いんだから…)
この賢者、これでも普段は堅物なのである。
勇者「そんなに泥酔してちゃ、ダンスには出られそうにないね」
賢者「ダンスぅ? なんですかそれ〜」
勇者「あれ、聞いてなかった? もう少ししたらダンスが始まるんだよ」
賢者「へぇ〜そうなんだ〜。まぁ私、ダンスは見てる方が好きですからぁ。じゃあ、いい観覧席を確保しときますかぁ〜」
勇者「うん、また後でね」
勇者(……そうか、踊らないんだ)
普段の賢者はローブ装備だが、今日はパーティーに合わせて『大人の女性』といった格好をしている。
同じ一族出身でも、男らしく育てられた自分と違い、彼女は女性らしさを制限も抑圧もされずに育ってきた。
だから、何というか、こう……
勇者(私が賢者だったら、普段からもっと可愛い格好するし、ダンスにも出るのに!! あぁ何て勿体無いんだ!!)
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