過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
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952: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/02/16(火) 22:51:28.03 ID:Lo0qQGmU0
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「やはり、罠でしたか。すべては私たちを城に入れるための芝居だったと言うことですね」
「罠とわかっていても、お前ならそうすると思っていた。世界を救うというくだらない願いを成し得ようとするお前なら、例え罠だとしても懐に入ることを選ぶと思いましたのでな」
「ええ、と言っても、皆それを承知でついて来てくれました。ここであなたの罠を掻い潜ることができれば、私達が一歩有利になりますからね……」

 夜刀神の輝きはすでに強いものとなっている。ここまで付いて来てくれた双方の兄弟が紡いでくれた輝き、そして仲間たちの輝きはすでに夜刀神を終夜にまで高めている。それは、カムイのために戦うことを決めた皆の心が紡いだ絆の力、その体現の一つでもあった。
 しかし、その輝きを見てもギュンターは動じることもない。むしろ、愉快な催しを見る子供のようだ。違うとすれば、張り付いているのが邪悪に満ち満ちた笑みであることだろう。

「ふっ、そのようなおもちゃでどうにかなるようなものではない、透魔王様の力の前に役に立つものではありませんな」
「それを決めるのはギュンターさんではありません。本人に直接突き刺して、効くか効かないのか確かめさせてもらうつもりです」
「そうですか。しかし残念ですが、透魔王様の前に行くのはお前の死体だけで十分、そう聞かされています。無駄な抵抗はやめてはどうですかな。兵にむざむざ無能なりに考えた命令を出す必要も――」

 黙れこのクソジジイ、その言葉が突如投げられた暗器をギュンターが避けたと同時に放たれる。カムイの後方で少し前まで澄まし顔で待機していた男、ジョーカーは過去稀に見る凶悪な面を携えて暗器を放っていた。
 そこに世話をしてくれた恩師に対する口に出さない尊敬などの面影はなく、ただただその存在を否定したいと言うものだけがあった。

「てめえ、カムイ様が温厚な方だからって言いたい放題言ってくれるじゃねえか」
「ふっ、主の命令もなく噛みつくとは、臣下としては落第点だなジョーカー」
「気安く名前を呼ぶんじゃねえよ。カムイ様を裏切っておきながら、恩師面するんじゃねえ」


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