過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
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959: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2016/02/16(火) 23:24:31.02 ID:Lo0qQGmU0
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 城門の落とし格子を作動させる仕掛けがある制御室への入口は城門の近くにぽっかりとあり、そこにマークスとゾフィーが飛び込み、内側に錠を掛ける。中は馬を待機させられるほどの空間であるが、上の機材のある空間からは何者かが下りてくる気配が感じられた。

「ゾフィー、ここからは白兵戦だが。騎馬戦以外の心得はあるか?」
「大丈夫、サイラスさんにみっちりしごかれたから、閉所の戦闘も十分こなせるよ」

 握った槍を片手にそう答える。頼もしい限りだとマークス、すぐさま階段を駆け上がり始める。まずは侵入者に気づいた先兵を倒し、その影から現れたもう一人を、今度はゾフィーが槍で持って叩く。
 華麗な連携を取りつつ上がりながら、マークスはゾフィーに目を向けた。
 ゾフィーはサイラスとリリスの子供ではない。いわゆる戦災孤児にあたる少女である。暗夜領のある村が何者かに襲われていた時、サイラスがそれに気付いて向かった結果として、村の人々が命を掛けて守り通した若人の中にゾフィーはいた。
 当時はまだ今より三歳ほど年下であったゾフィーは当初から、村の人々の仇を討つことを望み、カムイ達の行軍に参加することを望んでいた。その頃のことはマークスも覚えている。覚えているからこそ、今のゾフィーは良い意味で成長したのだと思えた。

「人とは変われるものなのだな」
「えっと、マークス様?」
「いや、初めてお前を見た時、復讐以外のことを知らない、そのような顔をしていたからな。それに取り込まれたお前と、共に戦う日が来るとは思わなかった」
「ひ、ひどい。あたしだって、成長してるのに……」

 怒りながらもちゃんとマークスのサポートに回る限り、彼女の言っていることは本当だと言うことがわかる。そして、こうして彼女から復讐という理由を取り除いたサイラスには一目置ける部分があるのだ。


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