過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
↓
1-
覧
板
20
964
:
◆P2J2qxwRPm2A
[saga]
2016/02/16(火) 23:50:38.16 ID:Lo0qQGmU0
◇◆◇◆◇
竜状態、ああ、竜状態というとあの鰭と尾鰭もあるあの状態か、確かにあの大きさならばこんもりとするのも仕方無い。マークスは納得した。そして同時にゾフィーはなぜリリスが竜の状態で眠っていたのかわからないと言うことなのだろう。そう、この時点でマークスにもわからなかった。
だが……ここでマークスは思い出す、この話の始まりの位置、つまりこの状況に至る前に二人が何をしていたのかということに関してである。
夜の営み……疲れ果てた二人……竜状態のリリス。
「うっ……」
「マークス様、大丈夫ですか?」
思わず立ちくらみが起きた。ゾフィーはその二つから導き出せるものがないようだった。ゾフィーはなんで竜状態になっているのか、人の姿で寝ないのかと首をかしげている。純粋な子だとマークスは素直に思う。
マークスは先ほどリリスを安心させるためほほ笑んだサイラスを思い出すが、それはすでに邪なものにしか思えなくなっていた。
サイラス、カムイの親友。そうか、つまり竜属性ということか。意味不明な解釈がマークスの頭を駆け抜ける。そういえば、竜状態のリリスにはあれがあると、ピエリが言っていた気が、まて、つまり、サイラスは……。思い出さなくてもいい情報ばかりが噴火し、恐ろしい結末を引き寄せようというところだった。
「マークス様、仕掛け部屋に着いたみたい!」
ゾフィーの言葉に今すべきことを思い出す。仕掛け部屋の器具のほとんどは錆付いていて、もうこの状態を維持しているのはある種の奇跡といえる状態になっていた。
今ここに限って言えば、これがこの状態を維持していたことは幸運であった。もしも綻び落ちていたら、敵はそれを踏まえた作戦で仕掛けて来ていただろうからだ。さすがに、落し格子が落ちるという事態は予想していないはずだ。
マークスとゾフィーは互いに留め具と思われる場所を確認してそれぞれが左右に展開、武器を構える。力をこめて振り下ろせば、その留め具は容易く壊れることは誰の目にも明らかだった。
「これで落ちるはずだ。準備はいいな、ゾフィー」
「任せて、いっくよ!」
呼吸を合わせて、武器を振り下ろす。鈍い鉄の音が木霊し、それは次に破壊音を奏で。そして勢いと共に轟く悲鳴のように叫びがあがった。
重々しい鉄の格子は、まるでギロチンのように下へと落下し、それを確認してマークスはすぐに踵を返す。
「よし、これで大丈夫だろう。すぐにカムイ達の元へ向かうぞ」
「はい……ところで、リリスさんが竜状態だった理由なんだけど……」
そのゾフィーの無垢な質問に対してマークスは少しだけ思案した。
思案して真面目な顔のままに、残念だが、私には皆目見当がつかないとお茶を濁し、階段を駆け降りるのだった。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
992Res/1008.69 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2― -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1443780147/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice