過去ログ - まどか「安価で1レスSS選手権!!」part19
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825:名無しNIPPER[sage]
2015/12/08(火) 12:15:32.02 ID:VPRPbdIS0
ある朝、暁美ほむらが新たな時間軸で目を覚ました時、彼女は自分が一匹の巨大な人面鳥になってしまっていることに気が付いた。

夢ではなかった。何度か寝直して、起きる。
自分の知らない魔女に何かされたのかもしれない。
もぞりもぞりと慣れない身体を動かしてベッドから出る。
視線はまず白い天井へ。知っている。前よりも部屋が広く感じた。
つぎに、窓へ。陰鬱な天気だ。ここへ来る前、ループの直前に起こった戦いを思い出してさらに憂鬱な気分になる。

ほむら(いつになったら、私の願いは叶うのかしら)

「暁美ほむらさん、回診です」

声がした。慣れた声。いつもの看護師だ。
さて、困った。今の自分の状態が実のところよく分かっていない。準備が必要だ。この姿のまま外に出るとしても。

ほむら「少し、お待ちください。今起きたばかりですので、また後で来ていただけますか?」

そのように言ったはずだった。

「暁美さん?すみません、なんておっしゃったのかよく聞こえませんでした」

ほむら「少し、お待ちください。今準備をしていますから」

「暁美さん?暁美さん?どういう意味ですか、それは?」

応対に戸惑う。少しは待ってくれてもよいだろうと起き抜けの頭で思った。

「どうしたの?」

「なんて言っているのか分からない」

声が増えた。違う時間帯に回診に来てくれる声だ。

「暁美さん、大丈夫ですか?開けてもよろしいですか?」

ノックと共に声がする。
仕方がない、私の姿がどうであれ最早隠し通すこともできないだろう。
それに、これ以上騒がれても困る。

ほむら「どうぞ」

入るのを促した。何かを確認するように2、3秒ほど待たれてから扉が開かれた。

甲高い悲鳴。自分の姿が異常だとそこで確認できた。

ほむら「驚かせてごめんなさい。原因をなんとかするからお気づかいなく」

そんな風なことを言ったはずだった。

ほむ鳥「可愛いほむ鳥を愛でるほむwwwwww」

看護師たちには、そう聞こえていた。
腰を抜かしてへたり込む。その姿を見て、自分は一刻も早く立ち去らないといけないと思った。
窓を再び見上げる。鍵は閉められていない。体重をかければ扉と同じように開ける。

ひょこひょこと窓へと向かい、羽ばたく。淵に足をかけて開いた。

ほむら(たまには願いなんて気にしないでみようかしら)

看護師たちは、目の前にいたものが暁美ほむらであったとは思わなかった。
ただ、部屋に見慣れない鳥が意味不明な言葉を発していたから驚いて腰を抜かしている。

陰鬱な天候を上書きするかのように、ほむらの心中は期待に満ちていた。


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