過去ログ - まどか「安価で1レスSS選手権!!」part19
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904:名無しNIPPER[saga sage]
2015/12/14(月) 18:27:31.50 ID:LewcZYMv0
とある山中、うっそうと生い茂る林の中に自然とはかけ離れたカラフルな衣装を着た少女が三人、木の根元に腰を下ろしていた。
「ここまでくれば大丈夫……かな?」

息を弾ませながら、辺りを窺うために木から顔を出す。
「駄目よ! 美樹さん不用意に顔を出しちゃ!」

忠告もむなしく風を切り射出された弾丸がさやかの顔をかすめる。
「ーーーっ!」

「油断すんじゃねぇ、バカ! どうだ、マミ? 弾道から居場所がわかるか?」

その問いに顔を横に振り答える。
「かなり離れた場所から狙撃しているみたい。 それに、もう場所を移動されているわね」

「ったく、誰だ、あいつを時間停止がなきゃ最弱だとか言った奴は」

「杏子、マミさん。 このままじゃじり貧だよ、一気に攻めに転じるのはどうかな?」

「彼女の場所がわからないのよ? 危険だわ」

「だけどよ、マミ。 おそらく狙撃をしつつある場所に誘導されているのさ。 精神的に疲弊して罠にかかるより、反撃できるときに攻勢に転じた方がいい」

「……。 わかったわ。 二人ともよく聞いて」

景色が赤と青とで構成された世界、人型の赤が三人寄り添っている。ゴーグルを外すと、世界に色が戻る。スコープを手に持ち替え覗く。
赤外線やサーモグラフィーといった道具を用いることで全天候に対応した索敵が可能であったはずの少女がただのスコープにしたのは理由がある。
目である。彼女たちの目には、希望が宿りまだまだ反攻の意思がある。ならばと、彼女は静かにその場所を離れた。

「行くわよ、準備はいい?」

息を大きく吸い、精神を落ち着けこくりとうなずく。
「ティロ・フィナーレ!」

普段なら攻撃に使われる主砲を地面に向かって放つ。木々が舞い、木の葉が吹き荒れ、大きな砂煙が立ち、次いで少女たちが飛び出してくる。
しかし、対して煙幕になりもせず順々に銃弾が撃ち込まれる。が、銃弾はこともなくすり抜ける。おそらく幻惑の魔法による囮だろう。
「……」

本命を見つける。枝葉で偽装し移動するマミに向かい初弾は胴体に確実に、そして容赦なく放たれた二発目により赤に染まる。
砂煙が消えるとさやか、杏子の姿がない。見逃した可能性はない、とすると可能性は一つ。

先ほどまで三人が寄り添っていた場所に少女がおりたつ。トリガーガードに指をかけ、辺りを油断なく警戒するさまは、一人打ち取ったことなどとうに忘れているようだった。
不意に地面からさやかと杏子が現れる。
「これならぁ!」

「どうだぁ!」

同時攻撃にまず、さやかを撃ち取る。
「ぐっ!」

しかし、杏子の攻撃は止まらない。
「貰った!」

刃先が止まる。いつの間にかあたり周辺をワイヤーが縦横無尽に走っていた。
「なっ!?」

「残念だったわね」

絶体絶命の危機だったが杏子の口角が上がる。
「勝ったと思ったろ」

「悪いが……」

「悪いが私たちの作戦通りと言うつもり?」

「残念私の読み通りよ」

離れた地点、リボンによろ身代わりで銃弾を防いでたマミがマスケット銃で狙いを定めている。引き金を引く寸前、頭上から網が降ってくる。
「なっ!?」

「私が本当の目的はマミをあの狙撃地点まで誘導することよ」

杏子の眉間に向かって銃を撃つ。
「ってぇー。 ペイント弾とはいえ効くなー」

「あー、三対一なのに勝てなかったかー」

「現代兵器ずりーぜ、それよりマミをほおっておいていいのかよ」

「大丈夫、あの網は電流が流れる仕組みになっているから」

(いや、早く助けてやれよ)



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