過去ログ - 白望「おいでませ妖怪の里」
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2: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/10/09(金) 17:54:51.80 ID:FKMhud4no

「うん、ミンゾクガクのすごい本なんだって」

「どれくらい?」

「百合に対する百合姫ってとこかな」

「それはすごい」

 何となく理解するような空気が広がり、ざわめきだすと、「うるさいそこ!」と胡桃の注意が飛ぶ。

「それで大事なのはここからっ」

 頭の上にあるページを胡桃がばっと指をさす。その先には『遠野物語』や『石神問答』がどう関係してくるのか、ページ一杯に考察されていて、どうやら数ページにも渡るほどのようだった。

「まあ考察は読まなくていい」

「シンドイ!」

 「だるい……」と呟く白望の傍ら、豊音が苦笑をこぼし、塞は「大事なのはそこじゃなかったの」と頭を振っている。

「これ、最後のページ! まとめあるからこれ読んで!」

「何々、妖怪と伝承のリスト……? 文字が小っさいな」

「じゃホワイトボードに書く!」

 目を細めて呟いた塞に胡桃が雑誌を開けたままひとまず机に裏返して置き、奥からキャスターのついたホワイトボードをひっぱり出してくる。

「なんであそこだけ文字小さかったんだろ?」

「やけに小さかったね」

「最初豆粒かと思ったよー」

 その間思い思いに雑談が交わされ、エイスリンが胡桃を手伝ってホワイトボードの反対側を持ったりして、無事部員たちの前にホワイトボードが設置される。

「じゃここにリスト写してくから」

 赤いマーカーを手にとり、ホワイトボードの前に立った胡桃が手の甲側の指でコンコンとボードを叩く。

「っていうかさ胡桃、何のリストなの?」

 あまりに小さくて見づらかったのでわからなかったのだろう。塞が訊くと、「私たちのルーツと思われる妖怪と伝承のリストみたい!」、マーカーを構えた胡桃がホワイトボードに向き合いながら返す。

 それに何の意味があるのだろう。部員たちは不思議そうにしながらも、胡桃がリストを写す傍ら雑談を繰り返す。

「エイスリンさんはどんなのかしってる?」

「ワカラナイ、クルミ アレミツケタラ、イキナリハシリダシタ!」

「そうなんだ、でも私たちを特集してくれるなんてちょーうれしいよー」

「だるい……」

「オカルト雑誌っていうのがちょっと複雑だけどね」

「みんな書けたよ!」

 待っていた皆の視線がホワイトボードに殺到する。

 これがーーーー私たちのルーツらしき妖怪と伝承リスト。各々緊張やそこそこの好奇心、興奮の眼差しで見つめる。



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・マヨヒガ
・山女
・ザシキワラシ
・塞の神
・ボンバーマン
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