過去ログ - 男「私の価値はこれだけだ」エルフ「あなたを一生許さない」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/10/09(金) 22:35:14.34 ID:WFUQ5gUN0
森
男「……深いな。それに広い」
男(私のような無力な元科学者が通れるような道ではない……)
男「だが……いかねば」ヨイショ
男「必ず元の世界へ……」
??「………」
光を地面まで通さぬほど重なった木々は、私に緊張と重圧を与えた。
どんな獣が存在するか分からない以上、死は常に私を見張っている。
正直、森を出られる可能性は宝くじを当てるほどに低いだろう。
それでも、いかねばならない。
家族を護るために……。
男「………」ガサッ
男「……っ!?」ビクッ
魔物「………」
それはオオカミのようなライオンのような生き物。
全身を黒で包み、目は血の色で染まっている。
鋭い牙は口からはみ出すほど伸びていて、中央辺りには釣針のような返しがついていた。
一度喰らいついた獲物は逃がさないだろう。そして私は彼にとってただの“歩く食材”だった。
魔物「グォオオオオオオオ!」
威嚇とは違う咆哮、――喜び、だろうか。
魔物は一瞬にして間合いを詰めると、その鋭い牙で私の腕を食い千切ろうとした。
――ビュンッ!
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